■法隆寺に建材劣化の秘密を解くカギが
ここで、水に対するひとつの考え方として「結合水」と「自由水」という概念について説明する。「結合水」とは、さまざまな物質を構成する結晶、水溶液・生体組織などの、構成成分(分子)と結合して存在している水のことをいう。
これに対して「自由水」とは、私たちが一般的にいう概念上の水のことをさし、この「自由水」は熱加熟や太陽光の照射などによって、気化、蒸散しやすい水のことを示す。またさらに、物質の構成成分と結合しているはずの「結合水」の中にも、比較的蒸散しやすい水と、安定し蒸散しない水もある。